2013年5月31日金曜日

アピストグラマ謎の病気の考察(高栄養物寄生体)

※当初は謎でしたが、原因、治療法についてはおおかた分かっており、最後に追記している内容がヒントになると思います。

症状 

初期・体をこすり付ける?(はっきりと様子がおかしいと分かる前、おかしくなってからはこの行動は無い)、いつもと違う場所に隠れるようにしている(アピストは大体同じところに居る)、食欲低下。

中期、末期・動きが鈍る、水底でじっとしている、呼吸が荒くなる、透明な糞

※全く綺麗な状態で動き以外に特徴は見当たらなかった,
※中期から死亡まで3、4日程
※同じ種類でも発病するものとそうでない物が居る、ただ、テリトリーを持てずに追いやられている個体にしか発生していない。(ほぼ間違いないが偶然の可能性。体力的に弱い固体ほど免疫も低いと考えられる)
※3cm程度の幼魚にしか発生していない。(偶然の可能性)

この症状から一般的に知られる病名は以下
カラムナリス
エラに寄生する寄生虫(ギロダクチルス症・ダクチロギルス症)
腸に寄生する寄生虫(痩せているわけではないため考え難いか)

エラからの分泌液はなく腫れても居ないため寄生虫の可能性は低い。死後エラを顕微鏡で確認したが、綺麗な状態だった。
カラムナリスも同様にエラが炎症やただれを起こしていると思われるが、それもなく綺麗な状態だった。
正常なエラは確認した事がないが、写真で見るような荒れた状態ではなかった。今度、正常なエラを確認できる時があれば解剖しようと思う。

よって、一般に知られている病気以外のものではないかと疑う。ふらついていて呼吸が荒いと言う事は、酸素が細胞に取り込めていないと考えられるから、何かの細菌が取り付いているとは思うが・・・血管内で増殖している事も考えたが、酸素の最も多いエラにまず先に感染するような気もするが・・・見当が付かない。
※追記:その後調べていると非寄生体性の鰓病というのがあり、これははっきりとした原因は分かっておらず、ウイルスか、刺激によりエラが異常化し、癒着するという。顕微鏡で見た時一見綺麗だが、穂先がくっついている状態になっている。私も顕微鏡で見てみたが、これと同じ症状だった、一部正常な部分があり、そことははっきりと違っていた。まだ、正常なエラと異常なエラを違う魚で何回も見たわけではないが、参考写真を見ても信憑性はまずまずだと思う。
感染性はあるようにも感じるが、同じ水槽内で発生しており、環境の悪化だとしても同じことが起こり断定できない。予防として何れの可能性も考え水中のゴミなどの微粒子を極力減らすこと、むやみに土をかき回さない事を心がけようと思う。
治療は、次は2%の10分の短期塩水浴でエラの癒着した細胞を溶かし、濾過直後の清水で管理する。対細菌の抗生物質は意味が無いので使わない。というのをやってみようと思う。抗ウイルスの薬、ウイルスがなんであるか分からないと選びようが無いためまず病名が分かるのを受身で待つしかない・・・。

先ほど書いたとおり、縄張りをもてない、縄張り争いに負けている魚にしか発生しておらず、精神的なストレスも原因となって引き起こされている病気かもしれない。
私はテトラ同様に複数を同時に面倒を見ると言う、アピストにとっては雑な飼い方をしてしまったが、本来は一つの水槽に単独もしくはペアで飼育しテリトリーと餌の確保をさせるのが基本だと認識した。

対応としては不明である。中期症状発見から、フラン剤の抗生物質で治療したが、改善は見られなかった。つまりお手上げである。外傷が無く塩の浸透圧治療は効果が無いだろう。次、初期症状が出たら同じように薬浴しようと思う。


※追記、その後、ストレスによるものが原因と考えるようになった、というのも、殺菌灯を導入した環境で改めて複数の幼魚を飼育したが、最終的に生き残ったのは一つのゲージに付き一匹であった。おそらく最も体力と気の強い固体が他の魚を威嚇、攻撃して、それ以外が許容以上のストレスを受けたと考えられる。(観察中はそれほど致命的な攻撃をしているようには到底見えなかったが、主観の判断だったといえる。)
幼魚を複数同時に飼育できるかもしれないという謎は残るが、やはり一匹一匹離隔して育てるべきだろう。

※追記、ストレスも原因と疑ったが、その後の出来事で根本原因はウイルスで、ストレスによって発症する危険性が高くなるという考えになった。出来事とは、コミュニティタンクにラミレジィを二匹導入した。ラミレジィは経験で非常に病気に弱い品種だと思っている。そしたら二匹ともこれまでのほかのアピストと同じ症状で死亡した。攻撃を受けるような敵もおらずストレス無く食欲旺盛で数日で成長していたが、突如体をこすり付けるしぐさをして動きが鈍くなり呼吸困難になって死亡した。これより以前エラを顕微鏡で見た時、細菌による炎症は無かったが、今となって、よりウイルスによってエラが異常増殖し癒着して死亡したと確信するようになった。以前もウイルスを疑ってネットで調べたが情報が少なく、また全く異なる魚の情報もあったため、そして、数匹は生きていてその個体は他の魚を攻撃するような強い固体であったため、更に、殺菌灯も導入していたため(殺菌等では魚の内部のウイルスまでは駆除できず同じ水槽内にいる魚同士では容易に感染できるだろう)ウイルスとの関連性を薄める要因が有り、今のように確信は持てなかった。また、これだけ脅威の病気の情報が一般的でなく少ないのも不可思議な点であった。実際に情報は少ないが、熱帯魚に何らかのウイルスが感染し死亡するという情報は存在している。

これまで何匹ものアピストを犠牲にし、非常に損失は大きく、また事柄の原因を調べると言う事を仕事としている私としては、屈辱でもある。しかしこれは、課題でも有り、私の精査能力がまだ足りていないと言うことを突きつけられたともいえる。それは荒く、可能性を除去したつもりになっていたが、冷静に考えれば何の可能性の分別にもなっていない。むしろ思い込みで被害を広げた部分がある。
とはいえ、ウイルスと確信するにはそれなりに困難ではあっただろう。症状もハッキリしなければ、顕微鏡で見ても炎症も見られない。
これまで死んだアピストには本当に申し訳ないことをした。
アピストに感染し蔓延し死亡率の非常に高いウイルスは存在している。感染した魚から駆除する方法は無い。気をつけてほしい。早めに気付いて対策をしてほしい。

※追記
違うペットショップ経由だが、前回この病気で死亡したコバルトラムを新たに導入し、ウイルスの存在を意識して用土、用具を熱と乾燥殺菌し、隔離した水槽で飼育しているが、3週間経過したが症状の予兆は無い。これによって前回死亡の原因がウイルスによるものという疑いがより濃くなった。

※追記
あれからこの病気が発症するアピストはいなくなった。すべてベアタンクにしたのが何かしらの効果があったと思われる。いや、二匹だけこの病気で死んでしまった。その水槽はベアタンクではなかった。外界からのウイルスの進入を防ぐため離隔した状態ではあった。水も余裕を持たせた飼育環境できれいな状態だったと思う。また、ベアタンク水槽にて体をこするつけるしぐさをする固体も現れたが、その後病気の発展、進行は見られなかった。このことにより、一度のウイルス感染が原因という可能性が低下した。底砂の隙間の数日経過した餌の食べ残し(ベアタンクでは残飯はほぼ出ることは無い)に潜む何かによる永続的な影響が原因という可能性が増した。ちなみに糞にはいないと考えられる。ベアタンクでも糞は残っているため。ただ、それはウイルスか細菌か、あるいはいずれもかかはわからない。
まとめてみる。原因の生物をXとする。すべての項目に基本的にという補足がつく。
Xはアピストにだけ致命的になるレベルまで発症する。言い換えるとアピストはXに対し免疫が低い。
Xは糞には居ない。
Xはカビが生えるほどの栄養価の高いものにいる。
Xは、エイズウイルスのように少数では脅威ではない、断続的に接触することで危険なレベルにまで発症する
その反面、免疫が間に合わなければ魚内部で増殖する。(離隔しても進行することから,.
ただ、増殖しなくとも既に致命的な状況で薬浴をしても死を待つ状態であるとも考えられる)

原因の生物がはっきりしないことは癪で腑に落ちないが(名前の付けようも無い)、これだけわかっていれば感染を避けることは可能である。これ以上の探索はしないことにする。

※追記
新たにアピストを導入、やや過密と思われる状況だが、一週間以上たったが症状が現れるものはいなかった。些細な環境の違いで発症するようだ。
毎日監視し、ややエラを開き気味の魚がいたため離隔して細菌性の薬で治療した。この病気によるものか、それ以外か、病気以外の原因で症状が表れていたかは不明。正常に戻ったため念のため別水槽に移して飼育する事にした。

治療法のまとめについては別記事を参照してください


※追記、結論 あれから2年程度後

もうこの症状を示すアピストは居なくなった。
記事にも書いたとおりあれから原因を探求する事をやめた為、未だに何なのかはよく分からない。ただ、結果だけは良いものとなっている。
再び言うが、えさの食べ残しによって発症すると考えて間違いない。
アピストには絶対的にベアタンクが向いていると言える。
もし水草を入れるのであれば、小さいプラスチックの鉢を用意すると良い。
殺風景さが無くなり中々にぎやかな風景となる。

2017.4
金魚に同じような症状が発生した、状況は以下
朝気づくと下の方で元気がない様子、ただただ元気がないという印象、ただしこれまでの経験上病気ではないかと直感的に疑う、ぐったりしており呼吸が何というか鰓を大きく広げて不自然である。ただ、特に鰓が開くといった症状はその時点ではない。
離隔してグリーンFゴールド顆粒を使う、この時点ではこれまで通り原因は分かっていない。夕方見ると鰓が広がっていた。あの病気だと確信した気持ちになる。
この時点でも、原因は分からず、ウイルス、カラムナリス、いくつかの原因を調べ考える、ただどれも当てはまらない。まずウイルスだと鰓が破壊され鰓自体が白くなるが赤い、カラムナリスのような爛れたり黄色いコロニーも見当たらない。ただ、朝気づいた時点の前日は餌もよく食べていた、症状の進行が速かったことから、間違いなく急性の病気ではないか疑う。ギロダクチルス症とうの寄生虫も考えづらい、鰓を見ても虫は目視では見当たらない。
そんな中継続して薬浴している中、白いもやもやをエラや口から吐き出すようになる。最初透明なフンを飲み込んだのではと思ったがそうではないようだ、カビによる原因の可能性が増す。薬浴をメチレンブルーに切り替える。メチレンブルーは水カビに効果があるが、規定量だとしても水カビには劇的な効果はない事は経験上知っている。進行を抑える程度なのだ。なので先に水カビを取り除き除菌する必要がある。口とエラの間の部分が感染源と予想されたためエラや口から薬剤を直接スポイドで投与することにした。
使用したのは、たまたま家にあったオキシドールとメチレンブルー、調べるとオキシドールはあらゆる病気に対して副作用も少なく非常に有効であることを知る。
オキシドール(3%)原液をスポイドで直接エラと口から勢いよく洗うように注入した。その後同様にメチレンブルーも注入、こちらは規定量の3倍程度の濃度。その後は規定量のメチレンブルーで薬浴、このオキシドールによる洗浄を一日二回行った。水は2リットル程を使いその都度交換した。塩は通常通り0.5%ほど投入。
数日後白いモヤモヤは無くなり餌を食べるまでになった。白いモヤモヤが出なくなって2日程度後からはメチレンブルーによる薬浴を止め(魚への負担があるため)、オキシドール(濃度を半分に薄めて)による洗浄のみを一日一回行うようにした。
結論としてオキシドールと通常のメチレンブルーによる薬浴で回復したと考えている。
寄生虫による原因の可能性も捨てきれないではいるものの、おそらく水カビが鰓のおくに発生したのだろう。餌が口の中に残っていたりすると急激にダメージを与えるまでにカビが発生するのではないか。
オキシドールは薬局で100円程度で手に入るため是非常備しておくといいと思う。

2013年5月23日木曜日

病気別処置法

ネット上には熱帯魚の病気に対しての処置法を紹介したサイトがいくつもありますが、あえて簡単でない対処法が紹介されていたり、初めてでは十分に対処できるように紹介されていないサイトも多いです。
今後の病気への対応を迅速、かつ間違いなく行うため、まとめとしてこれまで経験した病気に対しての処置法を記します。淡水魚の主にカラシン、シクリッド(アピスト、ラミレジィ含む)を対象としています。
まず気をつけたいのは、失敗しやすいのは病気による死亡より、誤った対処法による死亡です。水の汚れ、過剰な薬の負担、酸欠、飛び出し、など治療による見え難いリスクは多いです。特に始めは常に清潔な水を心がける事が大事です。
一番の病気の対策は過密に飼育しない事、多く飼いすぎない事、限られた魚に愛情を注ぐ事で、昨今インターネットでも安く購入出来て、つい当初の予定より多く買いがちですが、(安くても雑な扱いを受けて苦しむことはどの魚でも変わりはありませんので)、世話を十分に出来る範囲で選ぶのが良いとおもいます。インターネットを利用する場合でも、実際にショップに出向いて魚を見たり動画で確認した上で購入すると良いでしょう。

薬浴の基本
全ての治療法で共通したやり方や考え方。単純に薬を使うだけでなく衛生面に気を配る手間が必要です。

・離隔する事。水はカルキ抜きした新しいものを使う。運動神経の高い魚の場合は特に必ず蓋をし、酸欠防止のため軽く調整してエアレーションをする。水を清潔な状態にして早期回復を促す事が大事になります。

・薬は規定量を正確に計る事。計量スプーンが便利です。使用する水の量は、テトラサイズだと2リットルもあれば十分、10センチくらいのだと10リットルくらいはあった方が良いでしょう。濾過が効かないこともあり、多ければ多い方が良いです。また、薬は二回に分けて1時間程度以上の間を空けて入れます。

・水替えは、はじめは糞をするので、薬が勿体ない気もしますが開始してから翌日に、その後は長くとも5日後程度で、容器で魚を掬って全潅水します。濾過が無いので出来るだけ多く水換えをし、特に魚のサイズに対して水が少ない場合は頻繁に換えます。

・餌は与えない。離隔していて濾過が十分でないため水を汚す事を防ぎます。魚にとっては一日餌を食べない事は全く問題なく、少なくとも5日程度は平気です。治療開始後5日程度経って治療を継続する場合は、餌を食べる分だけ与え、食べ終わったのを確認し次第、水換えをし、翌日糞をしているので、その時にもまた水換えします。

・濾過が効かないので水が腐るのを防ぐため、出来れば細菌に効く薬を少量いれます。グリーンFゴールドリキッドであれば規定量の半分、グリーンFゴールド顆粒であれば、5分の一程度のごく少量でも水が腐りません。

・糞や汚れはすぐに取り除く、ストローで片方の口を指でふさいで水中で指を話せば汚れを水ごと吸い上げられます。

・状態が悪い場合は塩を使う。PHに影響があるため、軽微の症状であれば普通は使わない方が良いです。カラムナリス、エロモナリス症等で、弱酸性の低い硬度を好む魚については使わない方が良く、状態がひどく体の組織が露出しているような状況だと、体内の塩分調整の補助のため、0.1%から0.3%の濃度で入れます。金魚などは塩が苦手ではないので0.5%まで積極的に使っても良いと思います。普通に売られている食塩を使用します。


白点病
ウオノカイセンチュウという名の寄生虫が寄生することによって発症する。症状の白点は寄生虫が成長している状態である。白点病自体によって死に至る事はショック死などが考えられるが稀で、エロモナス症などの二次感染により死に至ることがほとんどである。また、誤った治療により、薬剤の過剰使用、水質の悪化により死ぬ事も多いと思われる。
治療には、まず高い水温での治療を考える。熱帯魚では常に25度前後で飼育されている場合が多いから、28度以上に水温を上げるだけのこの治療法は最適である。よく紹介されている薬剤使用や塩浴で離隔するほうが死のリスクは高くなることが多い。薬や塩を使用することよりむしろ、衛生を保つことのほうが重要である。衛生を保つ方法については状況によっても違い、いくつもの方法が有るため説明が長くなるので省略するが、とりあえずこの病気の時は水温を上げるだけ、これだけをしてほしい。
やり方はまず、28度まで水温を上げる。濾過力の状況、俗に言うこなれた水であるほど低い水温で発生が無くなる。また、魚の種類によっては寄生虫に対する抵抗力が弱いものもいるが、大体の魚は28度まで上げれば、寄生虫の勢力が衰える。2日経過して28度でも活性している場合は30度、それでも治らなければ32度まで上げる。私の家では、コバルトブルーラミレジ、ラスボラエリスミクロンが32度まで上げなければ治らなかった。また、32度の水温で死亡する種類も居るため30度以上にするには注意が必要である(私が確認したのではアクセルロディブルーは30度を越えると死亡するものが出てくる。この種は低温、高温に弱いとされている)。耐性があるかは魚の飼育環境を調べて確認してほしい。2日様子を見るのは2日待たなければ効果が無いからである。直ぐに直るというわけではないその理由をこれから説明する。
治療の概要としては、ウオノカイセンチュウの成長サイクルを利用して駆除する。寄生虫は寄生後25度の水温で4、5日で成長して魚の表面から離れ分裂し新たに寄生するというサイクルを繰り返す。その魚の表面から離れた時或いは分裂した時は熱に弱く、その時を狙って駆除する。28度では魚に寄生して離れるのに3日程かかる、そのため様子を見なければならない。その間増えているように見えることも有るが、すでに寄生していたものが目に見える大きさに成長したと言う事で、悪い兆候ではない。ただし、3日過ぎて増えているようであれば、更に水温を上げる手を打たなければならない。
白点が見られなくなったら、念のため二日ほど水温をそのままにしてその後下げるとよい。


水カビ病
意外に恐ろしい病気の一つで、進行速度は速く、ヒレ以外の口や胴体に感染した場合は致命的になりやすい。他の病気でもそうだが、この病気では特に普段の観察で早期発見での治療が重要になってくる。様子を見ようとして一日もすると取り返しの付かなくなっている事も有るので注意。
原因は餌の食べ残し等から広がり魚に感染する。魚によっては慢性的に感染しやすくなっている事もあり、アピストなどの縄張り争いなどでの傷からの感染、また突如皮膚から発症することもある。
早期発見のポイントとしては、最初は白点病と判断が付きにくい場合も有るのだが、見る角度を飼えると、表面に糸(菌糸)が飛び出しているのが観察できる。その場合は水カビ病と考えてよいだろう。また白点病と違い、元気が無くなったり、食欲の低下や呼吸が荒くなるなどの症状も見られる。進行が進むほどその傾向は強くなる。
治療には、メチレンブルーとオキシドール(市販の3%のやつ、副作用、刺激も少なく価格も安くお勧め)、症状がひどく露出が多い場合は体内の塩分調整の補助のため塩も使用する。治療の考え方としては、原因となるカビ菌を弱らせると言う事になるが、そのために衛生的な水を用意することが重要になる。
メチレンブルーの殺菌力はそれほど高くはなく、通常の濃度でもバクテリアが死滅することはないし、カビ菌も成長する事を確認している。そのため、薬浴するだけでなく、まず患部をオキシドールで殺菌、洗浄する。メチレンブルーは比較的安全な薬ではあるが、ゆっくり濃度を上げなければ、中毒を起こす事がある。
やり方は、魚のカビをオキシドールを浸した綿棒で鱗に沿うよう(つまり魚の頭から尾の方向)に拭いとる。取れたことを確認したらオキシドールを先をほぐした綿棒等で十分に塗布する。その後規定量を計量しメチレンブルーで薬浴する。
高い水温で水カビが活性するため、また酸素濃度も下がるため水温は抑える。


テトラ、エンペラーテトラに寄生するセンチュウ(カラシンセンチュウ(仮))
ネットで調べたところ、ネオンテトラ、カーディナル、Gネオンのテトラ、エンペラーテトラ、エンゼフィッシュに寄生が見られる数ミリの線虫。侵入経路はワイルド物からの外部からと思われる。
繁殖力の無い初期は、体やヒレに線のようなチリのようなものが見られる。この時に発見対処できれば蔓延する事は無い。症状が進むと、透明なゲル状の粘液が虫を包むようにして体表に現れる(これを虫が餌にしているようだ)。魚自体は元気で食欲もある。口に寄生された場合は食欲が減る。
対処法はピンセットで取り除く。この虫は寿命が長いので、寄生体が体外に出た時を狙う薬浴ではおそらく1ヶ月以上はかかると考えていた方がよい。それまで長く薬浴するには魚に負担がかかり現実的に難しい。ピンセットでの摘出方法は水カビ病で紹介した方法を参考にする。ピンセットで取り除いた時一部千切れて体に残る事があるが、再生はせず。自然と取れる。口の中に寄生する事も結構あり、その場合は左手で布で包んで掴んで、ひじを台に置いて安定させ。右手で正面から口にピンセットを慎重に入れて抜き取る。テトラは口が小さいので、台の上に魚を置いて取ろうとすると、角度が悪く口にピンセットが入りにくいので避けた方がよい。これも30秒厳守で、水に戻して呼吸させる。
虫は動きが見られないため、薬浴や塩水浴をして直ぐに虫に効果があったのか分からず、結局ピンセットで摘出したため効果は不明。体内に食い込んでいるため、イカリムシ同様寄生体には効果が無いとの情報もあった。
今度発症したら、2%10分の塩水浴を試してみたいところ。おそらく効果はあるのではないかと一つの可能性として推測している。
この濃度ならグリーンネオンでも耐え、後遺症も無い事を実証済み。予め薄めの塩水でならしておく。


真菌性エラ病(ネットでの情報少ない、謎の病気)

原因は、私の推測でしかないが、魚は口から入ったものをエラから出す事が出来き、その際、餌をうまく食べれない場合や、食べ過ぎてエラから吐き出そうとするときに、口の奥やエラに餌や有機物がわずかに残り、それが元で感染症を起こすのではないだろうか。
見た目には傷や出欠部分も無く分からない。ネットによる情報も少なく原因にたどり着くことが難しい、カラムナリスや寄生虫によるものと症状が似ており、そちらの治療をするとこちらは真菌性であるため症状が治まる事はない。
水カビと同様非常に進行が速い、通常3日程度で死亡することも少なくない。

症状は、初期は、鰓部分をこすりつけるような仕草、喉の部分が内側の炎症により盛り上がって膨らむ事もあり、それ自体は腫れたり出血はない。中期は動きが鈍くなり底でじっとしたり動きが鈍くなる、エラが開く、眼が窪む。中期に及ぶと一気に症状が悪化するため毎日観察している中で少しの違和感を感じ取り病気を疑うべきである。
まず、カラムナリス等他の鰓の病気と症状が似ているため鰓をよく観察する。消去法でこの病気だと判断するのが良いと思う。カラムナリスは黄色い膿のようなものが鰓につき、エロモナリスだとうろこが逆立ち、体や目が膨れ松かさ症のようになる。新たに魚を導入した場合はギロダクチルス等の寄生虫も疑う。最終的に鰓が傷ついていない場合はこの病気を疑う。

治療法
メチレンブルーとオキシドールを使う
メチレンブルーは規定量で通常通りの薬浴、それだけでは不十分なためオキシドールで患部を洗浄する。
薬浴用の容器と洗浄用の容器をそれぞれ用意
オキシドール原液(健栄製薬の3%のやつ)を洗浄用の容器の中でエラから直接スポイドで注入、口からも投入可能のようであればそうする(エラと口は繋がっているので無理にする必要はない)口を動かして吐き出すのを確認する。小型の魚であれば半分の濃度で20秒泳がせる。その際鰓を動かしたことを確認する。
その後通常通りの規定量のメチレンブルーで薬浴(塩も0.5%、できれば濃度は数時間かけて徐々に)、鰓の洗浄を一日二回、12時間ごとに分けて行う(朝起きた後と帰宅後など)。高い水温で活性するためヒーターは使用しない。

対策としてはベアタンクにして餌が残らないようにする、残り餌やフンは取り除き常に衛生を心掛ける。水替えの頻度を上げる。餌は腹八分程度、やせたと感じたら量を少し増やす程度にする。与え過ぎは他の病気にもつながる。

症例、対策のヒントは以下の記事にあります
http://sakanahiyori.blogspot.jp/2013/05/blog-post_31.html

以下は以前までの考察
特定のアピスト(南米産シクリッド)に感染する寄生体(ウイルスかどうかは定かではない)
アピストに限らずそれ以外の熱帯魚に感染していることがあり、アピストに感染して発症することがあるようだ。ウイルスによるもので、一般の治療薬は効かない(一部二酸化塩素のグリーンFクリアーや、過酸化水素、イソジンによる継続的な治療で一定の効果はあると考えられる)。感染力が強く致死率も高い非常に凶悪な寄生体。混泳して縄張りを持てず攻撃を受けたり、輸送によるストレスが大きくなるとより発症しやすくなる。病気らしい症状がないため攻撃されてストレスで死亡したと十分に正確でない判断をしてしまうこともある。
生存した魚、アピスト以外の健康な魚にも感染しており、新たに導入したほかの魚が同じ飼育水に入れば感染し抵抗力が無ければ死亡する(常在している可能性も)。当然ウイルス性の病気が疑われれば、離隔し、一切飼育水が行き来しないようにしなければならない。飼育水に入れた手は完全に除菌させる必要がある。殺菌灯は一定の意味はあるが、水槽内での感染は防げない(土の中の菌やウイルスを殺菌することは無いため)。
ウイルスによって、感染する箇所が異なり症状も違う可能性がある。私が経験したものはおそらくエラに感染するもので、えらの細胞が異常増殖して癒着し、エラをこすりつけるしぐさをたまにするようになり、食欲が無くなり、呼吸が荒くなり、最終的に酸欠で死亡する。細菌性の病気のように出血は無い場合が多く、病気であることがわかりにくい。感染からおそら
く4~5日ほどで症状が変化し死亡すると考えられる。
早めに気付いて、新たな被害を増やさないようにする事が大切。33度以上の高温にする事でウイルスの活動を抑えられると言う情報もある。大抵のアピストなら何とか耐えれる温度だろう。

私が当初困惑し被害を最も受けた病気。ウイルスの無秩序な破壊力を思い知り、徹底した対応が必要だという事も身にしみて痛感した。

カラムナリス症
カラムナリス菌による細菌性の感染症
感染する箇所により尾ぐされ病や口ぐされ病などとも言われる。症状は組織が爛れて破壊される、白く変色し酷くなると出血も伴う。ひれの場合はひれが溶けて骨だけが残りささくれのようになる。
治療は、薬浴用の容器ですべて新しい水にする。水質改善だけでも治る事もある病気のため症状が軽い場合は薬も少なくて良い、殺菌効果のあるグリーンFゴールド顆粒やエルバージュを規定量の半分程度入れてまず2日様子を見る。小型魚だと特に薬を規定量より薄くした方が良いだろう。薬浴中は餌を控える、ただ治療後餌を食べなくなることもあるため生き餌があれば与えた方が良い。高い水温で活性するためヒーターは使用しない。
普段から病気が無いか一匹一匹観察して早期発見が大切。
根絶は不可能と思われるため、普段より水替えの頻度を上げ水をきれいな状態に保つことで防げる。水質悪化が原因のため改善する。

エロモナス症
エロモナス菌による細菌性の感染症
アンモニア、亜硝酸値の高い水質悪化した状況で発症するようである。
カラムナリス同様進行は早くはない、カラムナリス症と同じ方法で治療する。普段の観察(動きが緩慢で松かさっぽい、体色が薄い等)と水質改善を心掛け薬浴で治る事が多い。

安楽死
手の打ちようがない場合、例えば、エラの呼吸が追い付いていないほど激しく呼吸をしている、えさを食べずに体勢が保てずまともに泳げない、等は経験上回復する見込みなしです。場合によっては何日か苦しみ続けて死ぬ、餓死する、或いは数時間かけて酸素が供給が追い付かず窒息死(見るからに非常に苦しそう)となる事もしばしばあります。その場合は安楽死させるのが魚にしてやれる最後の手段だと思います。
熱湯や氷を使用した方法は論外で(自分の身の事として考えても)、頭部破壊による即死、損ねても失神させる方法が有効です。

やり方は、木の板の上に、濡らした多めのティッシュに包んだ魚を置き、頭部にあて木を左手で乗せ、右手で木などで、あて木を打ち付けます。あて木によって確実に頭部を狙うのがコツで、ミスしても失神するように勢いをつけます。確実につぶれるように板とあて木はなるだけ平たいものが良いです。


クローブオイルでの麻酔安楽死 (現在は非推奨、頭部破壊の方法を推奨)
・使用するもの
クローブオイル(純度100%の精油、アマゾンにて購入できました2017年時点)
捨てても良い容器(プラスチックだとオイルにより溶ける場合があります)
エアレーション

・使用する量、水1リットルに対し、まず3滴分混ぜて麻酔として眠らせ、そのあとで15滴分の致死量を混ぜて殺します。水に混ざりにくいので別容器で十分に溶かしてから魚の容器に入れます。
数分~呼吸の様子を見ながら効きが弱い場合は量を増やしてください。

やり方は、水の入った容器に魚を入れます。水は飼育水で構いません。水を攪拌させるためエアレーションも使用します。
次にクローブオイルを入れますが、水に溶けにくいため、予め小さい容器などを使って水に溶かしておく必要があります。小さめの容器にお湯を入れ、最初に魚を眠らせるために使用する量のクローブオイルを垂らします。箸などでよくかき混ぜたのを確認して魚のいる容器に入れます。魚が底で横たわるのを確認します。そうならない場合はオイルの量を増やします。
次に同じ要領で致死量分のクローブオイルを追加します。しばらくしてエラが動かなくなるのを確認します。エラが動かなくなって更にしばらくして死んだことを確認します。
一連の作業は、クローブオイル自体に溶解作用もあるため手早く行った方がよいでしょう。

安楽死の作業は悲しいかもしれませんが、耐え難い苦しみを感じながら意識が遠のくよりも、安らかに逝くことは魚にとっては良い事だと私は信じています。

追記2019
クローブオイルでの麻酔安楽死 も確かに有効ですが
そもそもサイズが小さい魚にそれをやる事が安楽死として最善かという疑問があります
麻酔でも知らない臭いやしびれ、呼吸困難で魚に取って恐怖の時間はあるものと思いま
す。
私はその後、言葉では残酷に感じますが頭部破壊が最も短時間で死なせられる方法という結論に至りました。


病気危険度
AAA
真菌性エラ病 最速で2日で治療不可に、もがきながら窒息死。重症になると治っても後遺症が残る事がある。病気を特定できるような明確な異常、外傷が無い。
ネオン病 治らない、運動能力が次第に失われ餌が食べられなくなり痩せこけて死亡
AA
水カビ病 進行が速い。早期発見が非常に大事だが、二日程度で取り返しがつかなくなる事がある、ヒレに発生した場合は直しやすいため重篤さを軽視しやすい。
A
カラシンセンチュウ 一度卵か幼体を放出すると瞬く間に感染が広がる。早めに発見しピンセットで除去離隔する。
B
エロモナス 水質悪化が原因、そうでない場合も発症することはある、ほとんどの場合薬浴が必要、普段の観察で重症になる前に対応できる。ただ、進行が速い場合もある模様。
カラムナリス 水質悪化が原因、水質改善で治る事も多い
白点病 水温を上げた状態を保つことで防げる、ただその期間は1か月程度は見た方が良い。根絶できる


2013年5月8日水曜日

カラシンに寄生する線虫(ヒビセンチュウ)

結構流行ってしまっている病気のようですが、カージナルやグリーンネオンに主に寄生する線虫の被害が発生してしまいました。この線虫に正式な名称は無いようです。「カラシン、線虫」で検索すれば情報が結構でてきますがそれです。
家ではグリーンネオンとエンペラーテトラが今のところ寄生されてしまいました。他にカラシンは結構いるのですが今のところ無害です。グリーンネオンはウオノカイセンチュウによる白点病にも弱く発病しやすいので、寄生虫全般に耐性が低いものと考えられます。それ以外のカラシンは白点病にも割と強く、一度発症、回復後は同じ水槽内でグリーンネオンが発症しても感染する事は有りませんでした。したとしても少しの症状でした。そのことも有り、同じ線虫に対して耐性が出来ていて今回発病する事が無かったのかもしれません。
名前が無いので呼び名をつけるとして、仮にヒビセンチュウとしましょう、体にヒビのような姿をしてに現れ、おそらく魚からでる体液などの膜で覆われます。エラに規制した場合は致命的で、外科的に摘出しなければエラでの成長は異常に早く、数日で1cm異常の長さに成長し魚は死ぬ危険性があります。エラ以外では対して大きくならず2mmから5mmくらいの大きさです。エラに寄生した事は鰓蓋が閉じず内側の赤いエラの部分が露出する事でわかります。その中に虫がいるので先の尖ったピンセットで慎重に傷つけないように引き抜きます。
成長、繁殖方法は、白点病のウオノカイセンチュウと類似する点が多いと思われます。環境が合わなければ成長、繁殖は困難かと思われます。高温、紫外線、薬浴などで抑えられるでしょう。
それ以外の寿命やその他情報はこれから観察して検証していきます。
現在はインターネットで調べましたがはっきりとした対処法は見つけられず、白点病を参考にして高水温、メチレンブルー、グリーンFゴールド顆粒での薬浴で管理しています。リフィッシュなどの寄生虫用の薬の治療も考えましたが、薬の副作用、使用難度の点や、白点病と類似していると考えられる点から使い慣れている薬と治療で対処する事にしました。外科的にピンセットで摘出する事も何とか可能ですが(エラに寄生されて死亡した魚で実行済み)、負担もこちらへの負担もかかるので今より悪化しなければ今のままで治療します。追って経過状況を報告します。

その後の経過について、
治療のミス、口ぐされが発症しだしたので、薬の量を増やしましたが、おそらくそれのショックにより、グリーンネオン3匹中2匹が死亡、エンペラーは問題なし。薬濃度の薄い状態から規定量以下まで増やしたつもりでしたが、それでも高水温な事もあり強すぎたようでした。寄生虫については、寄生虫が溶けてきているように見えたため、負荷のかかる薬浴を中止、そのまま高温のみの治療に切り替えました。その後ほとんどの寄生虫の成長は見られず、一部特にエラや頭部やに付いた寄生虫は溶けずにやや成長していたためピンセットで取り除いて殺菌の薬で予備的に浴しました。取り除くのはネットで掬ってそのまま左手で網の上から体を抑えて場合によっては頭部にたわんだネットを被せて固定して右手で取り除きます。取った後は血の跡がありスッキリしたかも知れません。
後は完全に寄生虫が溶けるまで高温治療を続けます。おそらく皮膚の虫の痕跡が消えるまで少なくとも一ヶ月はかかりそうです。

Gネオン、エンペラー一匹ずつ治療ほぼ完了しました。後は残りの寄生虫を取り除きます。犠牲も払いましたが、今回の経験で次同じ病気になってもスムーズに対応できそうです。
肝心な事は、いかに負担をかけずにピンセットで取り除けるか、そのノウハウ、やり方を知る、と言う事です。グリーンネオンは小さすぎて苦労しました。時間もかかりました。

治療法について病気のまとめのページにまとめています。

アルティスピノーサの稚魚

最終的に生存および成長しそうなアルティスピノーサの稚魚は8匹が残りました。
最初60匹近くはいたと思いますが、まず卵がカビて半分、上手く孵化したのが25匹、餌を食べれたのが8匹でした、残りは上手く餌を食べきれず、餌を認識しきれず餓死したようです。ブラインを与えていればもっと生存していたでしょう。当然言われている事ですが、種類によって人工餌への食いつきには違いがあるのでそこを見極めるのが生存率を高めるポイントとなります。アルティスピノーサの餌への食いつきは悪くも無く良くも無く中間と言ったところです。